骨粗鬆症について②
- 医療コラムカテゴリー
前回に引き続き「骨粗鬆症」をテーマに、今回は「骨粗鬆症」に対する検査や予防等について書いていきます。
前回:https://www.nissyoukai.or.jp/column/476/
「骨粗鬆症」とは何ぞや?については、前回の投稿をご覧ください。
骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症に対しては主に、微量なX線をあて、骨の状態(骨密度)を測定するDEXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry)法といわれる検査を行います。
このDEXA法といわれる検査は、X線による被ばくの心配がほとんどなく、検査も5分程度で終わりますので、気軽に受けて頂くことができます。
【検査費用の目安】
1割負担:140円
3割負担:420円
※他に、初・再診料等がかかります。
骨粗鬆症の予防 ~食事・日光・運動~
骨粗鬆症の予防で大切なのは【食事・日光・運動】この3つです。
食事:
骨の成分であるカルシウムを中心に、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKなどが含まれた食品を意識的にバランスよく食べるようにしましょう。代表的な食品を挙げてみますと、
■カルシウム
牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、ごま、海藻類、大豆製品
■ビタミンD
鮭、ウナギ、サンマ、カレイ、椎茸などのきのこ類、卵
■ビタミンK
ほうれん草、小松菜、納豆、ブロッコリー、キャベツ、鶏肉
※ただし、持病やお薬の関係(例えば血液サラサラのお薬_ワーファリンを飲んでいる方はビタミンKの摂取は控える、など)で上記摂取に対し指示がある場合は、もちろんその指示に従ってください。
日光:
カルシウムの吸収を促進するビタミンDは紫外線を浴びることで体内でもつくられます。夏であれば木陰で30分程度、冬なら1時間程度でも十分です。日照時間が短い北欧の国では、太陽が出るとすぐ裸同然で日光を浴びている光景がみられます。
運動:
運動によって骨が刺激され強くなります。また、筋肉も鍛えられて転倒防止につながるほか、ロコモやメタボなどの予防効果も期待できます。散歩を日課にしたり、階段の上り下りを取り入れるなど、日常生活の中でできるだけ運動量を増やすようにしましょう。
運動としては、水に浮かんで泳ぐ水泳よりは地球の重力に抗した運動、歩いたりジョッギングといったどこでも誰でもできるものが良いでしょう。ただ、膝や腰の悪い方は無理なさらないでください。整形外科受診後、専門の理学療法士に相談しましょう。
骨粗鬆症の治療法~
基本は↑↑予防と同じく、食事と運動に関する指導・療法を行いそれに加えて薬物療法を行います。それらを組み合わせながら、患者さん個々のライフスタイル・状況に応じた治療戦略を練っていきます。
骨に限らず、何か問題があってからでは回復させるのは難しいものです。重要なのは、やはりそれを予め(あらかじめ)防ぐ=予防すること。そして予防する上で大切なのが、まずは自分の身体の状態を知ることです。
骨粗鬆症は誰もがなりうる疾患であるからこそ、意識的に予防、そして検査し自分自身の状態を知って頂きたいと思います。
著:事務部_T
監修:整形外科_川越
整形外科のご案内:https://www.nissyoukai.or.jp/outpatient/orthopedics/
[参考]
日本内分泌学会HP:http://www.j-endo.jp/
日本骨粗鬆症学会_予防と治療ガイドライン2015年度版
公益財団法人骨粗鬆症財団HP:https://www.jpof.or.jp/